事例紹介

株式会社ミツウロコクリエイティブソリューションズ様
LPガス検針業務の自動化と日次情報取得で配送業務を効率化

設備・社会インフラ


株式会社ミツウロコクリエイティブソリューションズ

URL:https://www.mitsuuroko-creativesolutions.com/

株式会社ミツウロコクリエイティブソリューションズは、各種LPガス業務効率化ソリューションを提供している。検針・配送業務の担い手不足で業務改善や効率化の必要性が高まる中、検針業務の自動化と配送業務の効率化を促進するため、LPガスメーターに日本電気株式会社が提供する無線通信ユニットを取り付け、メーター情報取得の通信基盤には安定した広域通信インフラであるSigfoxを採用した。


深刻なLPガス業界の担い手不足


ミツウロコクリエイティブソリューションズ(以下、MCS)は、エネルギー、電力、外食、アミューズメントなど各事業を手掛けるミツウロコグループの一員であり、ITシステムの開発・販売のほかグループ共通の業務を受託するシェアードサービスの提供などを通して、顧客企業の業務改善を支援している。 LPガス検針業務と配送業務の効率化を実現する同社独自のサービス「SmartOWLサービス」は、2017年から日本電気株式会社(以下、NEC)、京セラコミュニケーションシステム株式会社(以下、KCCS)と三社協業で進めているもので、IoT技術を用いた業務効率化ソリューションとして注目を集めている。2018年から1年に及ぶ大規模実証を行い、確かな効果があることを立証している。

「LPガスメーターの指針値を取得する機会は毎月1~2回で、その指針値を基にLPガス容器の交換時期を予測して配送計画を立てていました。なるべくガス残量が少ない状態で交換したいのですが、お客様の消費量の急激な増減を捉えられず、生活インフラであるLPガスが切れることのないよう予防するため、残量が十分ある状態で交換時期とすることも許容しているのが実態でした。これが配送回数や配送距離の増加につながり、効率化を阻む要因となっていたのです。
LPガスの検針業務、配送業務は担い手の不足が顕著に表れており、効率化による補完の必要性が日増しに高まっています。そこで、お客様宅のLPガスメーターの情報収集を自動化して日次取得できるようにし、毎月の検針を自動化するだけでなく日々の利用状況を把握し、それらを活かした配送計画立案を実現するために開発したのがSmartOWLサービスです。NEC様、KCCS様のご支援をいただきながら、三社一体となって取り組んでいます。」(株式会社ミツウロコクリエイティブソリューションズ 取締役 SmartOWL事業推進室管掌 永沼敬氏)

利用者宅のLPガスメーターからの情報取得は、NECが開発したLPWA対応IoT無線化ユニットを用いている。このユニットはSigfoxをはじめとする各種無線通信規格に対応でき、他の業務用設備や什器、工作機械などにも取り付けて利用できる。SmartOWLサービスの通信基盤としてSigfoxを提案したのはNECだった。

「通信範囲が広い、省電力である、低コストである、といった機能的な評価はもちろん行いましたが、最も重視したのは商用ネットワーク基盤として今後も安心して利用できるか、ということでした。いわゆるLPWAにもいろいろな規格があり各々強みなど謳っていますが、社会インフラとして定着させるには環境を整備する企業側にも相応の地力が必要です。Sigfoxは国内展開を担うKCCS様が基地局の設置から現場のサポートまでとてもしっかりした体制で臨んでいることを確認でき、これなら大丈夫だと判断しました。お客様の業務改善を支援するサービスの通信基盤として、信頼感、安心感は何よりも大事です。」(日本電気株式会社 スマートインダストリー本部 羽部康博氏)


サービスの効果を測定する大規模実証を実施


MCSは、全国のLPガス販売事業者に向けて2019年4月からSmartOWL「LPガスメーター情報提供サービス」の展開を始めている。配送業務効率化に向けた取り組みでは、具体的な効果を測定するため、2018年10月から1年にわたり愛知県名古屋市周辺で1,000拠点(1,575メーター)を対象とした大規模な実証実験を実施した。これは、消費者宅のLPガスメーターに取り付けたSigfox通信を利用するIoT無線化ユニットによりLPガスメーター指針値を日次で取得し、LPガス容器内のガス残量を正確に把握することで、最適なタイミングでのLPガス容器の交換を行うことによる業務効率化を測定するというもの。



平均配送業務時間約3割、交換時ガス残量率約5割削減


実証実験の結果、従来の業務と比較してLPガスの配送回数と平均配送業務時間をそれぞれ約3割、交換時のガス残量率を約5割削減できた。



「配送業務に携わっている現場の方々には、実証実験にあたり日常の業務とは別の負担をお願いし、大変な苦労をかけることになりましたが、積極的に実験に参加してもらうことができて有り難かったです。また、弊社スタッフは、日々取得される指針値のデータと配送結果を突き合わせ、得られたデータをどう活用すれば配送業務の効率化につながるか試行錯誤を繰り返しながら検証を進めていたのですが、NEC様、KCCS様をはじめとした関係者全員が協力を惜しまず一丸となってやり通せたことで、しっかりとしたデータに基づく効果を立証するに至ったと考えております。」 (株式会社ミツウロコクリエイティブソリューションズ SmartOWL事業推進室長 高橋潤氏)

MCSでは、今回の実証を経て、日次指針値を利用した実績に基づく配送計画システムに必要となるノウハウについて複数の特許を取得した。Sigfox通信を採用したSmartOWLサービスは、端末が7,000円、通信料も月40円と圧倒的に安価であることも大きな魅力の一つ。 今後、より多くのLPガス事業者に利用してもらうことで、様々な業務課題の解決を支援していきたいと考えている。

「現場を含め実証を進めた当社グループのスタッフ、そしてNEC様、KCCS様と、多くの方々のご支援、ご協力を得たことで納得のいく成果を出すことができ、商用化への手応えを掴めたと感じています。また、今後は開発や運用面だけでなく、販売面での協業も本格化させ、より多くのお客様へアプローチしていきたいと考えています。」
「LPガスの利用者は、都市部などの人口密集地だけでなく、山間部や人口の少ない地域でも重要な生活インフラとして利用されており、そうした地域での業務にも合理化や効率化が求められます。だからこそ通信環境整備の重要性には敏感にならざるを得ず、どのような場所にもSigfoxの電波が届くようインフラをより充実させてほしいと思っています。人口カバー率95%と国内で大きく成長されていますが、この勢いを損なわず、エリアカバーという観点でもいっそうの発展に期待しています。」(株式会社ミツウロコクリエイティブソリューションズ 取締役 SmartOWL事業推進室管掌 永沼敬氏)

協業パートナー/利用サービス


日本電気株式会社
https://jpn.nec.com/

LPガスメーター指針値提供サービス
https://www.kccs-iot.jp/solution/solutions/detail36/


取材時期:2020年6月
掲載日:2020年9月10日