事例紹介

東京国際エアカーゴターミナル株式会社様
ドーリーの位置管理で羽田空港の貨物運搬を効率化

物流・アセット

東京国際エアカーゴターミナル株式会社

URL:http://www.tiact.co.jp/

東京国際エアカーゴターミナル株式会社(以下、TIACT)は、東京国際空港(羽田空港)で国内外航空会社の国際航空貨物の輸出入取り扱いおよび、ターミナル管理・運営を行っている。広大なエリアで行う貨物運搬業務の効率化のために、Sigfoxを活用した「IoT Tracker」を導入し機材(ドーリー)の位置管理を行っている。


広大なエリア内でのドーリーの位置を管理するために

TIACTが利用するドーリーは航空機に搭載するコンテナやパレットなどの貨物を運搬するための台車で、空港内で24時間365日荷役に使用されている。

貨物運搬時にドーリーが必要な状況で台数が不足する場合は、担当者の勘や経験を頼りに広大なエリアで目視にてドーリーを捜索するなどその管理に多くの時間を費やしていた。特に、出発便の業務においては、飛行機の出発時間が迫る中で、ドーリーが不足すると運航上出発遅延になりかねない大きなリスクを抱えることになり、逼迫した状況下での業務遂行を余儀なくされていた。ドーリーは年次点検義務があるが点検対象のドーリーを捜索することにも時間を費やしていた。 また、ドーリーは非常に高価で安易に購入することはできない機材だが、絶対数が不足しているのか、どこかで滞留して見当たらないのかなど、探索に時間がかかる原因が把握できず、追加購入の要否を判断できない状況下にあった。

そこでTIACTは2018年に立ち上げた「全社業務改善プロジェクト」において、課題解決に向けてITを利活用したソリューションを模索。親会社である三井物産株式会社を通じて京セラコミュニケーションシステム(以下、KCCS)の提供するSigfoxを知り、約半年の実証実験を経て導入に至った。

「導入検討にあたり類似の別ソリューションも検証したのですが、デバイスのバッテリー容量や位置情報精度のスペックが実用上の要件を満たさず、見送った経緯がありました。今回導入したソリューションは、ドーリーの移動を感知し、一定時間動きがなければ停止というステータスを管理します。PoCを踏まえて1年半はバッテリーが持つと想定できたので、ドーリーの年次点検時に電池交換することで当社の運用ニーズにもマッチします。また、空港は公共エリアなので、基本的に個社ごとの機器設置などは難しいのですが、その点でも利用エリアである空港側に位置情報把握のための設備などを追加する必要がなく、Sigfox回線を用いて位置情報を取得できるという導入のしやすさも決め手となりました。」(東京国際エアカーゴターミナル株式会社 業務部IT管理課係長 柄本忠伸氏)

182台のドーリーの位置情報をMAP上で可視化

ドーリーは、搬送できる機材の形状により「パレット」「パレット(青)」「コンテナ」の3種類に分かれている。実運用に際しては、位置情報管理のためのSigfoxデバイスを個々のドーリーに装着し、Sigfoxデバイス固有番号でドーリー個体と種別を管理する。現在合計182台のドーリーの位置情報を管理している。

「IoT Tracker」はデバイスから送信される位置情報をMAP上に可視化する。ドーリー管理担当者が「IoT Tracker」のマップから特定のドーリーを探し、その指示を受けた担当者がトーイングトラクターでピンポイントでドーリーを探索できるようになった。


正確なピンポイント探索で捜索時間2時間を10分に短縮

「導入効果として、これまでドーリーの捜索に一日約2時間、場合によっては半日費やしていたのが、約10分にまで短縮することができています。また、ソリューション導入後、ドーリーの稼働率も把握できるようになりました。現在(2020年5月)はコロナ禍もありますが、稼働している182台で業務に対応できる状況と判断できるため、余剰購入を防ぐことができました。」(東京国際エアカーゴターミナル株式会社 運営部輸出業務課係長 朝山大地氏)

当初の課題であった、ドーリーのリアルタイムな位置情報の管理によるドーリー捜索時間の短縮はクリアできた。今後の取り組みとして、「IoT Tracker」上のトラッキングデータを基にした導線管理、さらには履歴データを基に算出した稼働率から最適なドーリー台数を予測、ドーリー以外の非電動式機材の位置情報管理にも応用できると考えている。また、社用車やフォークリフトなどへ設置し、車両導線の調査を行いハザードマップを作成するなど、業務環境の調査などでも活用が期待される。

利用サービス


位置管理サービス『IoT Tracker』
https://www.kccs-iot.jp/solution/product/platform18/


取材時期:2020年5月
掲載日:2020年7月30日