事例紹介

大阪府住宅供給公社様

生活動線上にある冷蔵庫の開閉で高齢者の見守りを支援


大阪府住宅供給公社

URL:https://www.osaka-kousha.or.jp/

大阪府内で賃貸住宅の提供などの事業を行う公的機関である大阪府住宅供給公社(以下、公社)は、将来ビジョンの一つとして、「“生涯住み続けられる”住環境の実現」を掲げ、高齢者を支援するサービスを提供している。その一環としてこの度、株式会社Roots(以下、Roots社)が提供するRefPaC「生活確認サービス」を公社住宅に入居中の高齢者を対象に実証実験を行い、システムの共同開発に成功したことから、本格導入前のモデル実施を行うサービスとして採用した。

高齢化の進む入居者が安心して暮らし続けられるために

近年、公社賃貸住宅に入居中の約18,000世帯において高齢化が進み、直近10年間で2倍弱ほど独居高齢者が増加している。こうした急速な高齢化への対応と、公社が目指すSDGs(持続可能な開発目標)の実現のため、SDGs11「住み続けられるまちづくりを」に該当する「高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続ける」ためのサービスを検討していた。

「離れて暮らす親族が単身で入居している高齢者を見守ることができるサービスを探し、さまざまな見守りサービスを調査しました。しかし、どうしても毎月2,000~3,000円かかるランニングコストの部分が課題となり、それらサービスは導入には至りませんでした。サービスを利用いただく入居者様には、できるだけ低価格かつ簡単にご利用いただきたいという思いがあったからです。」(大阪府住宅供給公社 神前氏)

そこで、通信料が低価格であるLPWAネットワークを使ったサービスの検討を始めた。公社への屋上携帯アンテナ基地局設置関連で付き合いのあった、京セラコミュニケーションシステム株式会社が提供するLPWAネットワーク「Sigfox」が候補となった。 Sigfoxはインターネット回線などのインフラ整備が不要で、複数の公社団地にアンテナを設置しており、すでにサービスエリアとなっていたことも魅力だった。 Sigfoxを活用したRoots社のRefPaC「生活確認サービス」は導入・利用が簡単であることや、通信費込みで低価格であること、サポート体制がしっかりしている点が実証実験実施を踏まえたモデル導入への決め手となった。

高齢者に意識させることなく見守りができるサービス

RefPaC「生活確認サービス」は、冷蔵庫のドアや部屋のドアなど生活動線上に小型デバイスを設置し、そのドアなどの開閉を感知して親族・保護者にメールで通知を行うサービスである。

その利用手順は非常に簡単で、見守られる側の利用者は、デバイスが届いたら付属のマグネットでデバイスを冷蔵庫のドアに貼るだけ。取り付け費用や特別な作業は不要である。通知メールの送信先はサービス申し込み時に指定し、Roots社でのアカウント連携が完了すればすぐに利用が可能。

離れて暮らす高齢者のもとを毎日訪問したり、毎日電話で確認したりすることは難しいが、本サービスでは生活確認の通知がくることで高齢者に異常がないことが確認できる。また、日常生活の中で確認が行われるので、高齢者も特別な意識や行動をする必要がない。

「弊社は、どんな状況でも即時対応をしてきたという自負があります。また、少数精鋭の体制で業務を行っているということもあり、スピード感をもってリーズナブルにサービスを提供できるというのが、弊社の強みです。」(株式会社Roots 田端氏)


IoTを活用してより良い住環境をより安価に提供していきたい

2019年に実施した実証実験のアンケート結果では、見守られる側の高齢者と、見守る側のご家族の両方からサービスに対して満足した、安心できた、という回答が寄せられている。

「高齢者は見守りサービスの形態によっては『監視されている』と感じたり、見守る側の家族が働いているため迷惑をかけたくないという気持ちを持っています。本サービスは、高齢者は特別な操作をする必要がなく、日常の生活動線上にある冷蔵庫の開け閉めのみで元気に生活ができていると通知されるため、監視されているという感覚や、機械に対するわずらわしさ、抵抗感、不安を軽減することができたのだと思います。見守る側、見守られる側どちらにとっても、シンプルが故に手軽に安心できるサービスであると手ごたえを感じています。」(大阪府住宅供給公社 江良氏)

今後の取り組みとしては、モニターの規模を拡大して意見集約を行ったのち、本格導入として全ての入居者にサービスを提供する計画だ。 また、現在は入居者の親族に通知が入るサービスとなっている。将来的には親族がいない入居者の場合には、自治体や福祉行政に通知が入る仕組みを構築すべく各所と連携を図る計画だ。

原状、日本においては、まだまだ「IoT」に関してなじみが薄いため、今回の「生活確認サービス」でのIoTサービスをきっかけに、利用イメージを持ってもらい、今後は子供の見守りや、独り歩きをする高齢者の位置管理や生活家電の操作などのIoTを使ったサービスの導入などを検討したい。さまざまなツールやサービスを使いながら安心して住み続けられる住環境の整備に引き続き取り組んでいく。

協業パートナー/利用サービス


株式会社Roots
https://www.roots-kk.jp/

「RefPaC(レフパック)」生活確認サービス
https://www.kccs-iot.jp/solution/solutions/detail49/


取材時期:2020年6月
掲載日:2020年7月16日


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