事例紹介

岡崎市土木建設部河川課様
『災害に強く安全で安心して暮らせるまち』を目指し
内水氾濫対策の実現に向けIoT水位モニタリングシステムを導入

農業・環境設備・社会インフラ

岡崎市土木建設部河川課様

URL:https://www.city.okazaki.lg.jp/1500/1516/p001138.html

愛知県岡崎市は『災害に強く安全で安心して暮らせるまち』の実現を目指し、大雨から“いのち”と“くらし”を守るため市民・事業者と力を合わせて総合的な雨水対策を推進している。岡崎市総合雨水対策計画における浸水被害を防ぐ内水氾濫対策として、効率的かつ効果的な河川・下水道整備に向け重要な用排水路の面的なリアルタイム水位監視を実現するため、積水樹脂株式会社が提供する「中小河川水位モニタリングシステム」を導入した。

内水氾濫対策として用排水路の水位モニタリングシステムを構築

岡崎市では、市内には矢作川などの大河川に加え乙川、鹿乗川などの中小河川が流れており、平成12年東海豪雨と平成20年8月末豪雨においては甚大な被害を受けている。市はこれまでも愛知県と連携して河川改修や下水道の雨水ポンプ場整備など緊急的な水害対策を実施してきた。近年多発する豪雨災害では刻一刻と変化する現場状況をリアルタイムに把握し対応することが重要であるが、用排水路には水位計が設置されておらず、整備・改修対策の判断や基準を難しくしている。

岡崎市土木建設部河川課においても、多数の河川に加え市内に張りめぐらされている用排水路の面的な水位把握と制御が重要であるが、用排水路に遠隔で水位監視の可能な水位計が設置されていなかった。そのため、災害時には市の職員が大雨の中パトロールを行って現地状況を確認しており、リソースが不足する災害対応時において大きな負荷となっていた。

そこで、岡崎市土木建設部河川課では、IoTを活用することで従来よりも整備コストを抑えつつ事務所や外出先、テレワーク先でも現場の水位状況を遠隔でモニタリング可能なシステムの構築を検討することにした。水位計は、用排水路に設置するため従来の水位計よりも小型・軽量で、導入しやすいリーズナブルな価格で工事費の安い機器を調査する中、Sigfoxを活用した積水樹脂の「小型IoT水位センサ」を選定した。さらに、通信端末や場所を問わず情報入手が可能でアラート機能を有する遠隔把握システムを検討する中、「中小河川水位モニタリングシステム」を導入し令和3年5月より運用を開始した。


6地点のIoTモニタリングで面的な水位状況の遠隔把握を行い、災害対応の迅速化を図る

本システムの立ち上げとして、平成20年8月末豪雨においても浸水被害が発生した鹿乗川につながる用排水路の水位モニタリングに導入した。主要幹線である国道1号や名古屋鉄道との交差箇所など、用排水路の主要地点6カ所に小型IoT水位センサを設置し、リモートでパソコンやスマートフォンから現場水位状況を把握できるとともに管理水位を超過した際にはアラートメールで注意喚起できるシステムを構築した。


「内水氾濫対策のための情報収集として、大雨時には各地点の水位状況を把握しています。これまでは増水の恐れのある際は現地パトロールで水位状況を確認していましたが、本システムの導入によりパソコンやスマートフォンから遠隔で把握できるので災害対応に注力することが可能となりました。 令和3年5月19日の大雨時も災害対応業務で慌ただしくしておりましたが、本システムの活用により、アラートメールが届くことでWebアプリ画面を確認するなど効率的に対応することができました。 今後、各地点の水位データを蓄積・抽出することで用排水路に対し矢作川や鹿乗川の水位やアメダス(地域気象観測システム)との相関の確認などデータを検証し、将来的には浸水被害を軽減するための基礎資料として活用することで効率的・効果的な整備を進め、安全・安心な地域づくりに繋げてまいりたいと思います。」 (岡崎市 土木建設部 河川課 技術係長 山下敬巨 ・ 主任主査 小嶋和也)

毎年のように豪雨災害が多発する昨今、全国の自治体にとって内水氾濫対策は共通の課題である。スモールスタートの可能なSigfoxを活用した手軽なIoTモニタリングによって河川管理の省力化を行うことで、災害時に貴重なリソースを現場状況確認から災害対応業務にシフトすることでき、大雨からいのちとくらしを守る災害対応の迅速化につながることが期待されている。

協業パートナー/利用サービス


積水樹脂株式会社
http://www.sekisuijushi.co.jp/

セキスイ簡易水位センサ「小型IoT水位センサ」
https://www.kccs-iot.jp/solution/product/device55/

中小河川水位モニタリングシステム
https://www.kccs-iot.jp/solution/solutions/detail44/


取材時期:2021年6月
掲載日:2021年8月5日