技術情報

IoT Agency PlatformでGPS Tracking

2020.08.25

  • IoT Agency Platfromは2020年12月31日をもってサービス終了予定となります。
  • GitHubリポジトリは引き続きご利用いただけます。

ここでは、SigfoxクラウドからCallbackされた(位置情報込み)ペイロードをIoT Agency Platformのダッシュボード上でトラッキング表示をする方法を説明します。事前知識は下記記事を参照してください。

前提条件

Sigfoxデバイスから位置情報を送信する方法としては、1)GPSセンサ情報をペイロードに格納する方法や、2)Sigfox Atlasサービス(Sigfox基地局やWi-Fiアクセスポイント受信情報からの推定位置)などがありますが、今回は、GPSセンサ情報となる緯度・経度をそれぞれ4バイトでIEEE745フォーマットでペイロードに格納した例を元に進めます。

Sigfox Callbackの設定

SigfoxデバイスからのGPS情報ペイロードをIoT Agency Platformに転送します。
IoT Agency Platformにログイン後、APIメニューを選択し、"+Create New"ボタンをクリックし、Access Tokenを作成します。

img-20200825-technical-01.png

その後、UPLINKメニューを開き、記載されているTypeUrl patternHeaders情報Content TypeBodyを、Sigfoxクラウド上のCallback設定画面に入力してください。

img-20200825-technical-02.png

Body部分のJSON記述で、"reception"と"duplicate"は、現状、Sigfoxクラウドで対応していないため、削除してください。

Parser作成

ペイロード中のGPS情報をパースする必要がありますので、Parsersメニューから作成します。
今回は、IEEE754で規定されている単精度浮動小数点数(4バイト)の形式で緯度経度がペイロード部に記録されているものとします。

parser.java
var payload,
  lat,
  lng,
  parsedData = [],
  obj = {};

  buf = new DataView(new ArrayBuffer(8));
  buf.setUint32(0, '0x'+ payload.slice(0, 8));
  lat=buf.getFloat32(0,true);
  buf.setUint32(0, '0x'+ payload.slice(8, 16));
  lng=buf.getFloat32(0,true);

  obj = {};
  obj.key = 'lat';
  obj.value = lat;
  obj.type = 'number';
  obj.unit = '°';
  parsedData.push(obj);

  obj = {};
  obj.key = 'lng';
  obj.value = lng;
  obj.type = 'number';
  obj.unit = '°';
  parsedData.push(obj);
}

return parsedData;

これで、変数latとlngに変換されたデータをメッセージ履歴やダッシュボード上で使用することができます。

Categoryの作成

Categoryは、Parseしたデータをデバイスに紐づけるためにカテゴライズするものとなっています。ここでは、先ほどパースしたlat(緯度)、lng(経度)をGPSという名前でカテゴライズします。
Categoriesメニューの[+]ボタンから下記のように、number型のlat,lngプロパティを追加し、GPSカテゴリを作成します。

img-20200825-technical-03.png

デバイスにParserとCategoryを紐づける

上記で作成したParserとCategoryを、該当Deviceに紐づけることにより、送られてきたペイロードを意味あるデバイス情報として使用することができるようになります。
今回は、先ほど作成したGPS_FloatというParserとGPSというCategoryをデバイスに設定します。
該当デバイスからメッセージがCallbackされると、自動的にDevicesメニュー内にデバイスが作成されます。

img-20200825-technical-04.png

img-20200825-technical-05.pngボタンから、Deviceの設定が可能になりますので、ご自身が作成したParser名、Category名に合わせて設定します。今回は、Parserに"GPS_Float"をCategoryに"GPS"を選択します。
これにより、Deviceのメッセージビューで、lat,lngが表示されるようになりました。

img-20200825-technical-06.png

DashboardでTracking Mapを作成

最後に記録されていく緯度経度をMap上に軌跡も含めて表示したいと思います。
左メニューのCreate Dashboardから新規ダッシュボードを作成します。Dashboard作成後、img-20200825-technical-07.pngボタンからWidgetを追加します。
今回は、Map Widget。適当な名前と共に、下記設定を入れてもらえればGPS軌跡を地図上に表示することが可能です。

img-20200825-technical-08.png

こんな感じです。

img-20200825-technical-09.png

最後に、Directions routesPolylinesMarker clusterのチェックONでどのようにGPS軌跡表示が変わるかを見ておきます。

img-20200825-technical-10.png

Direction routesをONにすると、移動軌跡を道路最短ルートで結ばれ、PolylinesをONにすると、点間を直線で結ばれることがわかります。
Marker clusteringは、地図縮尺に合わせて、マーカーをクラスタリングするモードです。

IoT Agency Platformだけでも、PoCのGPSトラッキングサービスの確認はできそうですね。

著者情報

研究部責任者 日比学

京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)の経営企画部門で新規事業・研究開発に従事。
Sigfoxネットワークの更なる普及にむけて、IoT、LPWA(Sigfox)関連の情報を発信しています。

【Twitter】https://twitter.com/ghibi