技術情報

Monarch DevKit UnaMKRをModemモードで使う

2019.09.10

先にこちら(Monarch対応開発キット - UnaMKR -)をお読みください。
また1年間無償回線※1 の契約方法がわからない場合は、こちら(Sigfox Devkit(開発キット)を1年間の無償回線で利用する)を見てください。

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ここでは、UnaBiz社のMonarch対応開発キットUnaMKRの動作モードのひとつであるModem(USB)モードの使い方を説明します。
Modemモードは、UnaMKRのMicroUSBポートからUSBケーブルでPC等と接続し、直接シリアルコマンドを叩くモードです。内蔵モジュール(LITEON WSG309S)の動作確認としても使えます。

同梱物の確認

UnaMKRには、UnaMKR本体の他、Sigfox通信用のアンテナ及びアンテナケーブル、BLE用のアンテナ、ジャンパスイッチx1が同梱されています。UnaBizホームページの写真にはArduino MKRも写っているものもありますが、Arduinoはご自身で入手していただく必要があります。また、PCと接続するUSBケーブルもご自身で入手していただく必要がありますが、Android端末用のUSBケーブルでも問題なく使えると思います。

img-20190910-technical-01.png

Modem(USB)モードの準備

Modem(USB)モードを試す前の準備は、下記3つです。

  • アンテナの取り付け
  • ジャンパの切り替え
  • USB-Serialドライバのインストール(必要に応じ)

アンテナの取り付け

Sigfox通信用アンテナを取り付けます。UnaMKR側のポートは、モジュールの右下(技適マークに近い方)に接続してください。

img-20190910-technical-02.png

ジャンパの切り替え

出荷時は、Arduinoモードになっているので、Modem(USB)モードにする場合は、J6、J7、J11のジャンパをすべて切り替えてください。
少しピンボケしていますが、こんな感じです。すべて右側をショートします。

img-20190910-technical-03.png

USB-Serialドライバのインストール(必要に応じ)

USBケーブルをUnaMKRに接続しても、COMポートとして認識されない場合は、CP210x USB to UART Bridge VCP Drivers(Downloadサイト)をインストールする必要があります。

COMポートとして認識された場合は、puttyやTeraTermなどでシリアル接続するだけです。

シリアルポート設定

UnaMKRとのUSBシリアル接続時には、下記の通りシリアルポート設定を行ってください。

項目設定値
Baud Rate 115200
Data Bits 8
Parity None
Stop Bits 1
Flow Control None
  • Local EchoをONにしておいた方が、こちらからのコマンドを確認しやすいかと思います。

シリアル接続に成功したら、ATコマンドを入力してください。OK応答が返ってくれば、無事に接続されています。

RC(Radio Configuration)の切り替え

マルチリージョン対応通信モジュールのRCを切り替える方法として、Monarch技術を使って基地局からのビーコンを捕捉し自動的に切り替える方法と、ATコマンドによる手動切り替えの2種類があります。

MonarchによるRC切り替え

MonarchによるRC切り替えを行うには、AT$MONARCH=300コマンドを投入します。これにより、モジュールは5分間、Monarchビーコンを探します。Monarchビーコンを捕捉し、RCの切り替えに成功すると、OK応答が返ります。

img-20190910-technical-04.png

出荷時設定は、RC4になっており、MonarchによりRC1(現在値はフランスです)に切り替わりました。

実際のMonarch対応デバイスは、内部クロックを使ってビーコンタイミングを図ったり、加速度などのトリガをキーに捕捉をするようにして、消費電力を抑えているようです

ATコマンド(手動)によるRC切り替え

Monarchビーコンは、すべての基地局からブロードキャストされているわけではないため、ご利用の地域によっては、いつまで待ってもビーコンを捕捉することができない場合があります。
そのような場合は、AT$SETZONE=[zone番号]コマンドで切り替えてください。
日本のリージョン(RC3)にする場合は、AT$SETZONE=3となります。

img-20190910-technical-05.png

メッセージを送信する

Sigfoxでデータを送る場合は、多くのモジュールで共通のコマンドになります。
AT$SF=[送信データ],[下り要求フラグ]です。

img-20190910-technical-06.png

このモジュール場合、A~Fは小文字のa~fにし、下り要求フラグも必要ない場合でも、0をセットしておかないとFAILED応答が返ってくるようです。

メッセージを確認する

送信されたメッセージは、Sigfox Backend Cloudから該当デバイスIDを選択し、MESSAGESメニューで確認することができます。

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Bluetoothモジュール用コマンド

内蔵のBLEモジュールでスキャン及びその結果表示をしてみました。結果出てきたBLE端末は、手元に置いているBLEヘッドフォンです。

img-20190910-technical-08.png

他にも使えるコマンドは、unabiz.githubを参考にしてください。

センサデータの取得は、Modemモードではできません。ArduinoモードかEmbedモードにする必要があります。

本記事で利用するDevkitはこちら

著者情報

Products and Marketing Department 日比 学

京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)よりSigfox社(フランス)に出向中の元自称Sigfoxエバンジェリスト

  • KCCSから追い出され、フランスの片田舎で余生を過ごしています
Twitter:https://twitter.com/ghibi