中国IoT事情②:モノがネットにつながるのか、ネットがモノをつなげるのか

事業部長コラム

みなさん、こんにちは。

KCCSでSigfoxを担当しております、LPWAソリューション事業部長の松木です。

前回の続きとなります。

(前回、ご紹介しましたレポートは↓、以下《》内は本レポートからの引用)

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東京大学社会科学研究所
現代中国研究拠点 研究シリーズ No.19

伊藤亜星・高口康太

中国14億人の社会実装
〜「軽いIoT」が創るデジタル社会〜

https://aseiito.net/2019/04/09/digitalizaion_in_china/?fbclid=IwAR0l0LDNxVvRs6OQfWZFPJ2-jl5-OJs51I3vC0udhuxvcKfEJrQg8uZmUNU
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このレポートの中で、株式会社ジェネシスホールディングスの藤岡淳一社長のインタビューが紹介されています。

藤岡社長は、2011年に中国、深圳でJENESISを起業され、日本向けのハードウェア、IoT機器の製造にたずさわり、両国のIoTを熟知している人です。

ソースネクトの通訳機「ポケトーク」、JapanTaxiの決済機能付きタブレット、B2B VRプラットフォーム「ナーブ」のVRヘッドセット、コミュニケーションロボット「ユニボ」が代表的な製造製品とのことです。

藤岡社長の日本と中国のIoTの違いに関する見解が秀逸です。

まず日本のIoTは、

《「インターネットにつながるモノ」という意味が濃厚だ。つまり、ハードウェアに重点が置かれている。》

一方、中国のIoTは、

《重点はネットにあり、インターネットが拡張するため、付帯的にモノが必要になるとの文脈だ。》

《日本ではインターネットにつなげてハードウェアの付加価値を高めることを狙っているわけだが、中国ではそもそもどのようにインターネットサービスを展開するか、そしてそのサービスを通じてデータを集められるかを第一の課題としている。》

つまりは、IoTの出発点が、モノなのか、ネット(サービス)なのか、の違いと言えます。

Sigfoxに関して言えば、SigfoxのIoTは両方のケースがあると私は考えます。

まず日本的なIoTについていえば、子供や高齢者やペットがGPSトラッカーを携えてくれ、スマホで所在が分かるだけでも安心感は倍増します。

なにもビッグデータは必要ありません。

よって、モノに重点が置かれるのです。

しかし、

先日のワイヤレス IoT Expoでご紹介した、

「配送トラック位置情報管理」

は、同じGPSトラッカーでも発想の出発点が異なります。

このユースケースにおいては、工場内でのトラックの荷役が出発点です。

工場のシステムにおいて「積荷作業に要する時間=トラック・運転手の待機時間」が事前にデータ化されています。

そして、この時間は無駄なコストといえます。

もし、トラックがいつ工場に到着するかが前もってわかれば、それに合わせて、倉庫からの出庫を事前にすませておき、積荷時間を短縮できます。

その結果、トラック・運転手の待機時間も短縮されコスト削減につながるのです。

これが、トラックの位置情報管理管理のために、GPSトラッカーがトラックに搭載された背景です。

いわば、この工場内の物流管理サービスの価値を高めるためにトラックがIoT化された、というわけです。

最近、このような中国的なIoT事例が増えつつあります。

身の回りのモノにコネクティビティを持たせるというシンプルな発想に加えて、ある種のサービス体系の価値を高めるためにモノをIoT化する、というユースケースも増えつつあります。

日本は、中国のIoT化の考え方をも取り込みつつある、といえるでしょう。


前回の記事はこちら

中国IoT事情①:PoCの意味